コンクリートを非破壊で圧縮強度推定CTS-02(コンクリートテスター)


CTS CTS-02V4 コンクリートテスター 圧縮強度 非破壊検査 試験 測定
一次スクリーニングとしての非破壊検査装置
CTS(コンクリートテスター)は、1999年に起きたトンネルのコンクリート塊が落下する事故を受けて開発されました。従来のコンクリートの試験方法では、精度が比較的低い、測定データに補正が必要、判定結果に客観性がない、データが残らないなどの問題を抱えています。CTSはこれらの問題点を解決した簡易な非破壊の装置です。叩いた直後に圧縮強度の推定値が数値として表示されるので、いち早くコンクリートの状況を把握することができ、測定したデータはパソコンに接続することで取り出すことが可能です。

目次

CTSでできること
〇コンクリートの圧縮強度推定(普通コンクリート・高強度コンクリート)
〇コンクリートの表面の劣化度合いの検知
〇コンクリート表面近傍の剥離、浮きなどの検知
〇コンクリート表面の骨材剥離の検知

従来技術との比較
圧縮強度推定に関する比較
CTS
リバウンドハンマー
精度
※圧縮試験を100%とした、当社実験に基づく
85%
50%
圧縮強度推定範囲
10~150N/mm2
10~70N/mm2
データ補正
必要なし
必要あり
測定点数
3250点/日
1500点/日
データ整理時間
6375点/日
1000点/日

浮き、剥離に関する比較
CTS
打検ハンマー(打音法)
測定結果の判定
客観的
主観的
判定結果のデータ
CSV(デジタル)
紙(アナログ)

CTS-02V4の仕様
名称
CTS-02V4(Concrete Test and Surveyer)
適合規格
NDIS3434-3
収納ケース
390mm x 255mm x 120mm
本体
108mm x 69mm x 42mm
ハンマー
380グラム
波形測定
サンプリング速度0.5µs、測定時間長2ミリ秒
電源
単三電池4本(連続時間12時間)
PC接続
USBで接続
測定データ
記録可能データ数 約50万データ
付属品
USBケーブル(A-miniB)
ストラップ
専用収納ケース
電池4本
CD-ROM(アプリケーション、デバイスドライバ、取扱説明書)
CTS コンクリートテスター 圧縮強度 試験 測定

CTSの使い方

CTSの基本原理
コンクリートテスターのハンマーでコンクリートを打撃すると、図のような打撃力波形が得られます。 波形はハンマーに内蔵したセンサーで測定します。 打撃力波形は、図のように2つの部分に分けることができます。打撃力が最大値に至る前半部分は、ハンマーがコンクリート表面を押している状態です。 この間、コンクリート表面では塑性変形、ついで弾性変形が進行します。 後半は、弾性変形したコンクリートがハンマーを押し戻しつつ、元に戻る過程です。 つまり、後半部分の波形にはコンクリートの弾性特性のみが反映されており、この部分に着目すると、コンクリート表面の劣化に影響されないコンクリートの圧縮強度を測定することができます。 前半部分と後半部分の日を求めるとコンクリート表面の劣化度合いを知ることができます。
(特許番号:第3691477号)

打撃力 健全 波形

代表的な波形例
打撃力 表面劣化 波形
●健全部の打撃力波形ピークを中心にほぼ左右対称な波形が得られます。コンクリートは完全弾性体ではないため、前半部分で多少影響を受けます。
打撃力 剥離 波形
●表面劣化がある場合の打撃力波形健全部と比較して,アクティブ側の立ち上がり時間が長くなります。これは、ハンマが表面劣化層に塑性変形させつつ貫入する時間が含まれるためです。リアクティブ側では表面劣化層の影響は軽減されます。
打撃力 剥離 波形
●はく離面がある場合の打撃力波形その1 比較的浅い位置に綺麗なはく離面が存在する場合の打撃力波形です。健全部と同じように左右対称の波形ですが、相対的に打撃力の最大値が小さい、ハンマの接触時間が長い、等の特徴が見られます。これは、打撃箇所が板バネのような挙動を示した場合に測定されます。板バネですので、波形は綺麗な山形になりますが、健全部と比べて剛性が低いため打撃力の継続時間が長くなります。
打撃力 剥離 波形
●はく離面がある場合の打撃力波形その2 ハンマで打撃した場合にコンクリートが剥がれ落ちそうな状態で得られる波形です。ハンマ打撃に対して反力が生成されず正常な波形を採取することができません。横軸(時間軸)が今までと大きく違いますので注意が必要です。