ボルト・ナットを非破壊で測定するBOLT-Tester(ボルトテスター)


BOLT-Tester BTS ボルトテスター ボルト ナット 非破壊 測定器
一次スクリーニングとしての非破壊検査装置
BTS(ボルトテスター)は、2012年に起きた中央自動車道笹子トンネルの天井落下事故を受けて開発されました。現在のアンカーボルトの維持管理は目視確認と点検ハンマーによる打音検査のみで、目視確認では遠距離からの把握が難しい、打音検査では点検者の主観に頼るため精度に差が出る、測定データが残らない、引張試験は時間と費用と構造物へのダメージがあるなどの問題点を抱えています。BTSはこれらの問題点を解決した簡易的な非破壊検査装置です。打撃時の反力の時間波形によって健全性を評価します。
トンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会(資料集3.9の打音試験が弊社技術の試験内容)

目次

BTSでできること
〇あと施工アンカーボルトの健全性検査
〇プラントや鋼橋のボルトの緩みの検知
〇トラックやバスなどのホイールボルトの健全性検査
〇ナットの緩みの検知

ハンマーの大きさ
BOLT-Testerは測定する対象の径によって使用するアタッチメントを変更することを推奨しています。
BOLT-Tester ボルトテスター 大きさ サイズ別

BOLT-Tester(大)  (写真左) ⇒ 設計重量:1400グラム 測定対象:M20 ~ M24
BOLT-Tester(標準) (写真中) ⇒ 設計重量: 420グラム 測定対象:M12 ~ M20
BOLT-Tester(小)  (写真右) ⇒ 設計重量: 190グラム 測定対象:M8 ~ M12

BTSの仕様
名称
BOLT-Tester
適合規格
NETIS (HK-180001-A)
収納ケース
390mm x 240mm x 130mm
デバイス
106mm x 40mm x 11mm
①大ハンマー重量
②標準ハンマー重量
③小ハンマー重量
①1400グラム
②420グラム
③190グラム
波形測定
サンプリング速度0.5µs、測定時間長2ミリ秒
電源
パソコン側USBから供給、最大350mA
PC接続
USBでWindowsパソコンと接続
測定データ
パソコンにテキスト保存
付属品
専用収納ケース
USBケーブル(A-Aメス,1m)
タブレットPC(デバイスドライバ及びアプリケーションインストール済み、取扱説明書)
BOLT-Tester BTS ボルトテスター ボルト ナット 測定器 非破壊

BTSの使い方

BTSの基本原理
ボルトテスターでは、ハンマーに加速度計を内蔵し、打撃力を測定します。打撃力波形を貫入過程(打撃力)と反発過程(反力)に分離し、反力の遅れ時間と振幅比によって、被打撃物の挙動を調べます。打撃に対して、弾性的な挙動(一つ山の波形)を示した場合は健全、塑性的な挙動(双山の波形)を示した場合は不健全という判定になります。
(特許第6186241号 ボルトの健全性診断方法)
波形 説明

代表的な波形例
打撃力 波形 健全
●健全なボルトの打撃力波形 波形はピークに対してほぼ対称な波形になります。ボルトの状態で、やや波形が乱れることはありますが、ピークが1つしかない波形となります。
打撃力 波形 塑性
●やや塑性変形を起こしたボルト 打撃力に対するボルトの反力に時間遅れが生じ、ピークがやや広がった波形となります。
打撃力 波形 不健全
●不健全なボルトの波形 打撃力に対する反力の発生に大きな時間遅れが発生し、ピークが双山の波形となります。